本当に働きやすいオフィス環境を作り出すオフィスデザインとは?

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サテライトカフェスペース、パーテーションのない空間、まるで公園のような休憩スペース…。最近では、これまでのオフィスイメージを一新するようなデザインのオフィスがメディアでたびたび取り上げられ、注目されている。おしゃれなオフィスは、その空間にいるだけで仕事へのモチベーションも上がりそうだ。しかし「働きやすさ」という点では、実際のところどうなのだろうか。今回は、働きやすいオフィス環境の特徴とそのデザインについて考えていきたい。

 

働きやすいオフィスの環境の特徴とは?

働きやすさのバロメーターとしては、「コミュニケーションの取りやすさ」「集中しやすさ」「ストレスのない移動」などが考えられる。なかでも「コミュニケーションの取りやすさ」は、多くの労働者が重要なポイントと捉えている(アンケート調査)。

まずは、これら3つのポイントに配慮したオフィスデザイン事例について、それぞれ見ていきたい。

 

「コミュニケーションの取りやすさ」に配慮したオフィスデザイン

最初に、コミュニケーションの活性化を促すデザインを具体的に紹介する。

 

今日はどこで仕事する?フリーアドレスオフィス

日本の典型的なオフィスの風景というと、部署やグループごとにデスクを向かい合わせる「島型対向式レイアウト」が真っ先に浮かぶ。しかし、最近では「フリーアドレス(=自由席)」というオフィススタイルを取り入れるオフィスも。これは、社員個々の自席を設けず、在社している社員が自由に席を選択するという制度である。

  • CBRE株式会社 東京本社

事業用不動産を手掛けるグローバル企業CBREの日本法人東京本社は、フリーアドレスを導入。立ったままミーティングできるハイテーブルやガラスドアで仕切られた個室など、様々なタイプのワークスペースを設ける同社。社内アンケートでは約9割の社員が、固定席で仕事をするよりもフリーアドレスの方が生産性の向上を感じた、という結果が出たそうだ。部署間のコミュニケーションも促進され、会社自体の売り上げにも結びついたのだという。

(参照 https://www.businessinsider.jp/post-108159

 

ミーティングにも休憩にも利用可!カフェスペース

カフェスペースを設けるオフィスデザインも最近のトレンドなのだそう。お菓子やドリンクサーバーが設置され、誰もが気軽に利用できるカフェ。自然と人が集まる空間では、部署を超えたコミュニケーションの活性化が期待できる。

  • 株式会社ドリコム

モバイル向けのゲームコンテンツやインターネット広告事業などを手掛けるこちらの企業は、オフィスのデザインもクリエイティブ。エントランスホールの左手に設けられたカフェスペースでは、バリスタによる本格的なコーヒーが楽しめるという。社員からの人気も高いようで、打ち合わせや商談など、様々な用途で利用されている。

(参照 https://www.shigotoba.net/drecom_1703_1_shanainibarista.html

 

 

「集中しやすさ」に配慮したオフィスデザイン

次に、集中力アップが期待できるデザインを具体的に紹介する。

 

半個室空間!ファミレスシート

無機質な会議室で行われる長時間のミーティングは、どうしても集中力が途切れがち。そんな会議室のデザインを見直し、様々なデザインを取り入れる企業も増えているという。なかでも人気なのが「ファミレスシート」。その名の通り、1つのテーブルを背もたれの高いソファーベンチで挟んで座るというファミリーレストランで見かけるような半個室タイプのデザインだ。

  • 株式会社アイスタイル

美容系サイト「@cosme(アットコスメ)」の企画・運営で知られるこちらの企業。本社オフィスに設けられる「ファミレスブース」は、社内で人気のミーティングスペースとなっているという。「いかにも会議という、かしこまらない雰囲気づくり」を実現したこの空間では、ミーティングでの会話も弾みそうだ。

(参照 https://www.shigotoba.net/istyle_1703_1_atcosmewounneisuru.html

 

エンタメ度の高いリフレッシュスペース

忙しい仕事の合間にちょっと休憩できる「リフレッシュスペース」の導入はもはや定番になりつつあるが、快適さだけでなくエンターテインメント性にこだわったスペースをつくるのも人気だという。仕事で行き詰まったときに、リフレッシュスペースに足を運ぶことで新しいアイデアが湧くといった好意的な意見が多く、企業によって様々な工夫が見受けられる。

  • 株式会社freee

クラウド会計ソフトを手掛けるこちらの企業。リフレッシュスペースには、様々なサイズのデスクや、立ちながらミーティングができるカウンターのほか、卓球台などの娯楽グッズを置くといったユニークなアイデアが採用されている。人が集まりやすいスペースにしたことで、コミュニケーションの活性化も期待できそうだ。

(参照 http://designers-office.jp/work/page/index.php?cat=1&type=4&id=208

 

 

「ストレスのない移動」に配慮したオフィスデザイン

ここでは、オフィス内の動線を考えたデザインを具体的に紹介する。

 

時間と空間の有効活用!作業効率を上げる動線の工夫

オフィスデザインを考えるうえで、動線の確保はとても大切な要素だ。複雑な動線にすると作業効率が悪くなり、生産性の低下を招くおそれがある。コピー機や共有スペースなどの配置はもちろん、ICTの活用やゾーニングの工夫によっても快適な空間を作ることが期待できる。

  • 株式会社gloops

オンラインゲームなどのソーシャルアプリケーション事業を手掛けるこちらの企業。共用エレベーターでの待ち時間を減らすために、オフィス内に階段を造ったのだという。移動のストレスを軽減し、時間を有効活用できるようになったことで、生産性の向上が期待できそうだ。

 

本当に働きやすい環境を作り出すオフィスデザインとは?

ここまでは、「働きやすさ」のバロメーターに沿ってオフィスのデザイン事例を見てきた。これらを踏まえ、「本当に働きやすい環境」をデザインで叶えた事例を一つ紹介したい。

  • 株式会社リブゲート


出典・事例詳細:事務所デザイン.COM
デザイン: 株式会社フロンティアコンサルティング

システム開発事業やクリエイティブ事業、コンサルティング事業を展開するこちらの企業。ワークスペースには、通常の固定席のほか、フリーアドレスや、「かまくら」とよばれるファミレスブースなど、あらゆるスタイルの席が用意されている。
また、休憩や打ち合わせなどに利用できるバースペースやカフェスペースを設け、コミュニケーションの取りやすい環境をデザイン。その結果、どのような勤務形態の社員にとっても働きやすいオフィス環境となったそうだ。
さらには、もともと3つのフロアに分かれていたオフィスを1つのフロアに集約したことにより、客先に常駐しているエンジニアにとって「帰ってきたくなる場所」になったという。全ての社員にとって居心地の良いオフィスは、「本当に働きやすい環境」と言えるのではないだろうか。

 

見た目のおしゃれさだけでなく「働きやすさ」も叶えてくれるオフィスデザインは、会社の生産性向上を実現する大切な要素の一つ。より良いオフィス環境作りは、企業のブランディングにもつながる大きなポイントとも言えるだろう。社員目線のアイデアや、会社の体質にマッチした様々なアイテムを取り入れ、そこで働くのが楽しくなるようなオフィス作りを心がけたいものである。

 

 

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