オフィス特有の物件探し6つのチェックポイント - オフィス移転のキホン

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自宅などの住居用の物件探しは経験があるけど、オフィスの物件探しは初めて、という方も多いはず。今回は同じ物件探しでも大きく異なる、オフィスの物件探しにおいて重要な視点を整理して紹介していきます。住居の物件探しの場合もそうですが、オフィス移転の場合も、かならずその移転の「目的」があるはずです。まずはその目的を明確にすると、チェックポイントでチェックする内容も分かりやすくなってくるでしょう。

今回はオフィスの物件探しのチェックポイントを6つに整理して見ていきたいと思います。

 

立地 


出典:http://zuuonline.com/archives/46466

住居の立地は「住みやすさ」で決めますが、オフィスの立地は「働きやすさ」だけでなく「アクセスの良さ」が重要になってきます。電車を使うケースが多ければ、何線の沿線か、駅からの距離はどのくらいか、駅から濡れずに行けるか、さらには人に説明して分かりやすい場所か、などがポイントになります。また同じ業種のオフィスが集まっているエリアという発想も重要です。
住居とは違い、営業などでオフィスを行き来することも多く、特に訪問して頂くお客様の視点にも立って立地は考えていきたいところ。その結果、ターミナル駅のあるエリア(東京で言えば新宿・渋谷・東京・池袋・品川など)にオフィスが集中するわけですが、この周辺は人気があり家賃が高くなります。

また、一方で社員の労働環境を改善するという目的を持っている場合は、社員が多く住んでいる路線沿線や、ラッシュに巻き込まれにくい沿線という発想もいいかもしれません。また、駅からの距離があっても集中しやすい、落ち着いた環境を求めるSOHOのようなケースは上記の趣向とはことなってきます。また、これは全体としていえることですが帰りが遅くなっても女性従業員が安全に帰れるかにも気を配ることも大事なポイント。地下道や繁華街などを通らずに駅まで行ける場所が望ましいでしょう。

 

コスト


出典:http://eight-jp.net/service/running-cost/

オフィスの契約の際にコスト面で最も驚くことは、委託金(敷金・保証金)が高いこと。住居では1~3ヶ月程度のケースが多いですが、オフィスでは6~12ヶ月程度が一般的となります。場合によっては、原状回復費用という形で委託金から差し引かれることが決まっているケースもあり、なかなか移転の初期費用は高額になります。また、共益費(管理費)という耳慣れないコストもかかります。共益費は、管理に関する費用の他に清掃の範囲や頻度、冷暖房の空調費や共用部分の光熱費など、どこまでが含まれているのかによって変わってきます。

また、家賃と管理費は数か月分を前払いし、保証会社利用料なども賃料に応じてかかってくることが多く、賃料の6か月分から15か月分程度が必要になると考えておいたほうがいいでしょう。ここは住居用とは大きく異なる感覚です。

 

オフィススペース


出典:http://www.odakyu-fudosan.co.jp/biz/office/tokyo_area/35.html

住居の場合は部屋の数と平米数が広さを決める大きな要素となります。オフィスの場合も平米数は重要ですが、そのレイアウトも非常に重要です。一人当たりの必要スペース、会議室の数や広さ、その他共用スペースなどを考慮して考えていく必要があります。いくら物件が十分な広さでも会議室が広すぎて、一人当たりの作業スペースが狭すぎたり、逆に会議を頻繁に行うのに会議室が1つしかなく足りないなど、実際の働き方をイメージしながらスペースを検討していきましょう。また柱の有無も重要なポイント。柱が無ければ柔軟にレイアウトを検討できるため、様々なバリエーションのレイアウトが可能ですが、柱が多いとレイアウトが限られ柔軟性に欠けることも多いでしょう。その上で、今の人数だけでなく、中長期的な採用計画なども考慮して、数年後に手狭になってしまわないかなども考えるといいでしょう。

 

周辺施設


出典:http://kokoronoiori.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-8ce5.html

オフィスの場合は社員間のコミュニケーションやモチベーション維持のため、ランチや仕事帰りに積極的に行きたくなるようなスポットがあるかどうか、というのも重要です。一見軽視しがちなポイントですが、社員のモチベーションの維持やコミュニケーションの活性化は仕事のアウトプットに大きく影響します。また、近くに銀行や郵便局、役所などがあると業務上も大変便利です。さらに、同じビル内に競合他社がいないかどうかも確認する必要があります。周辺のオフィスの業種も確認しておきましょう。

 

入館時間や休館日

 

使用時間に制限のあるビルというのもあります。これは、オフィス物件ならではの注意すべきポイントです。残業が多い会社の場合特に注意したいところ。そして土日祝日の入館について事前申請が必要だったり、そもそもNGだったり、というケースもあるので確認が必要です。また、空調設備の稼働時間も労働環境に大きく影響します。今の標準的なワークタイムを把握し、その時間に出来るだけストレス無く働くことができる条件なのかはしっかり確認しましょう。

 

共用設備


出典:http://ace.reviewmagic.jp/blog-entry-181.html

エレベーター、エスカレーター、トイレ、給湯室などの共用施設の充実度、メンテナンスという視点も忘れてはなりません。エレベーターは2基以上あると出勤時間や定期メンテナンスなどの場合に便利です。トイレは男女別か洋式か和式か、それぞれの設備に清掃は行き届いているかなどを確認するとよいでしょう。また飲食店がテナントに入っている場合などはその排気口の向きも要チェックとなります。

最後に喫煙スペースがどこにあるかという点も非常に重要です。昨今の流れの中で喫煙者は非常に肩身の狭い思いでタバコを吸っている状況です。あまりにも作業場所から離れたところにしか喫煙スペースがない、とかどこの誰とも分からないあぶなっかしい公共喫煙場所でしか吸えないなど、喫煙者が息抜きできる環境の確認も重要です。

 

 

住居の物件探しとオフィスの物件探しでは、このように注意すべきポイントが大きく異なります。ここで紹介したポイント以外にも、天井の高さや間取りには現れにくい圧迫感など、実際に行ってみないとわからないこともあります。気になった物件は必ず内覧に行くようにすると、だんだんと感覚がついてきて、条件に合う物件が見つかりやすくなるかもしれません。

皆さんも6つのチェックポイントをしっかりと意識しながらオフィスの物件探しを行ってみてください。そうすることで相性の合う物件に出会える確率は一段と高まるでしょう。

 

 

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