経営者必見!オフィス空間の満足度が会社の業績につながる 〜女性が活躍する会社を作る〜

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女性の活躍を推進するために職場環境の見直しが必要

現在、少子高齢化が進み労働力人口の減少が懸念される日本で、経済・社会に活力をもたらすには、女性の社会進出をもっと促すことが欠かせない。安倍晋三首相も成長戦略の柱の一つとして、「女性の活躍」をあげ、少子化対策としても「女性の活躍」が大きなテーマとなっている。この流れに伴い、女性の活躍推進に力を注いでいる企業は数多くある。内閣府男女共同参画局によれば、女性の活躍推進は、日本の社会問題の解決だけでなく、企業においても業績への良い影響が期待される。これは直接的な影響というよりも、女性が活躍できる企業風土が業績に良い影響を与えているものと考えられる。なぜなら、女性が活躍できる企業風土の実現のためには、働き方全体を見直し、多様なライフスタイルを持つすべての人にとって働きやすい組織づくりを行うことが必要だからである。このような取り組みが仕事の効率性を高め、新たなアイデア・付加価値を生み出すことにつながると考えられている。

そこで、まず企業が、女性の活躍を推進するために必要なことは女性の仕事意欲を高める職場環境を提供することである。

 

女性にとって働く環境を整えることが会社の業績につながる

クリエイティブ・オフィス・レポートの調査によると、企業の場作りにおける空間満足度が高いほど、知識創造行動が行われている傾向にあるとされている。また、その知識創造行動が行われている企業ほど、「研究開発力」や「商品企画力」を競争優位の基盤とすることや、営業利益水準が高いということがわかっている。つまり、企業のオフィス空間の満足度が高いほど、企業の業績にも繋がるということである。そして、女性にとって働く空間を整えることで、さらに企業へ良い影響をもたらすのである。

経営者としては、それを理解した上で、オフィス作りに力を入れていかなければならない。

 

経営者が女性社員のオフィスへの思いを把握できていない

はたらく未来研究所の調査によれば、「経営者は女性が働きやすいオフィスをつくるための経営努力をしているか?」という質問に、経営者の60.5%が「とても努力している」「まあまあ努力している」と答えているのに対し、女性社員の66.5%は「まったく努力していない」「あまり努力していない」と答えている。また、女性は、現状に「とても不満」が25.0%、「やや不満」が40.0%、合わせて65%が不満層という結果である一方、経営者にも「やや不満」が38.0%あるものの、「まあまあ満足」も37.5%あり、「まあまあ満足」の項目に焦点を当てると、女性社員と経営者の現状認識のギャップは11.5%となっていて、経営者が女性社員のオフィスへの思いを把握できていない現状がわかっている。会社の業績を上げるためにも、経営者側が働く女性のニーズを把握し、空間満足度を向上させることが必要である。

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女性が理想とするオフィスづくりのポイントは、「リフレッシュスペースの充実」「快適な空気」「個人のスペースの広さ」であった。一方で、経営者の理想とするオフィスづくりのポイントは、「快適な空気」「オフィス内部の明るさ」「共同のスペースの充実」であった。

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この順位からわかることは、女性はオフィス空間に、個人的な居心地のよさを求めているのに対して、経営者は業績を重視する立場で働きやすさや生産性の向上を求めているということだ。実際リフレッシュスペースを用意しているのは、わずか28%程度と少ないのが現状である。つまり、より働きやすいオフィスという認識にずれがあるため、業績を重視した空間作りを意識しているつもりであっても、このままでは実際に業績を上げることができるのかは疑問なのだ。そこで、経営者が今後行うべきこととしては、今後益々活躍を期待する女性社員にとって働きやすいオフィス環境とは何かを、コミュニケーションを取ることで、把握し、より女性社員が満足するオフィス空間を作るために、力を入れるべきと言える。

 

オフィス空間作りに投資した場合の4つのメリット

とはいえ、なかなかオフィス空間作りへの投資に積極的になれず、事業投資など、より直接的に経営に直結しそうなものへの投資を行いたくなるのも理解できる。しかし中長期的に見ると、オフィス空間作りへの投資は事業へ直結する投資になっていく可能性が高い。ここでその4つのメリットを整理してみよう。

1つ目は、女性はオフィスの印象で入社を決める人も多いので、より最適な人材を確保することができること。2つ目は、今後さらに女性社員の割合が増していくため、全体の空間満足度が向上すること。3つ目は、日本の社会問題である少子化問題に取り組むことで、企業の社会的責任を果たすことができること。そして最後に、女性社員と経営者側のコミュニケーションが活発化し、より一体感が生まれること。これらメリットは、すべて将来的に会社の業績に繋がるのだ。経営者は今後、直接業績を重視するオフィス空間作りではなく、女性社員の声を取り入れて業績を伸ばすオフィス空間作りに力を注ぐべきではないだろうか。

 

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